1975年10月9日、なんとお父さんであるジョン・レノンと同じ誕生日に生まれたショーン君
ヨーコとの待望の息子の出産に、嬉しすぎたジョンは一切の音楽活動を停止し、子育て、主夫業に専念することに決めた。
ジョンは既存のロックスターのイメージをことごとく覆してきた。
ライブ、ツアーをせず、スタジオに引きこもるロックバンド
丸いおばあちゃんメガネのロックスター
ヨメさんと常に一緒のロックスター
そして極めつけは、曲も発表せずに家事・子育てに専念するロックスターである。
イクメン・バカップルなんていうくだらない言葉が日本で流行る何十年も前に、すでにジョンはその生き方を示してきた。
イクメンを名乗るなら、ジョンくらい仕事を放棄してからにしてほしいものである(笑)
空白の5年
ジョンのこの主夫業は1980年にアルバム ダブル・ファンタジーで復帰するまでの5年間続くことになる。
しかし、空白などというのはあくまでファンや外野の勝手な視点であって、ジョン自身の人生においてこれほど大切な時期はなかったはずだ。
もちろんこの期間がなければダブルファンタジーの中の名曲の数々も生まれなかったんだからね。
その5年間のことを歌ったのがこのWatching the Wheelsである。
このwheels(車輪)という言葉にはいろんな意味があると思う。
いわゆる自分が不在の音楽シーンの流行のことでもあるし、世界全体の社会情勢のことでもあるし、もっと大きな運命そのものであるともいえる。
コード進行は名曲イマジンにも通じるようなシンプルなものでありながら、素晴らしいアレンジとポールとはまた違った絶妙のポップセンスで、何度聴いても飽きない、そして胸の詰まるジョンレノンソロ曲でも1,2を争う名曲である。
原文の歌詞はコチラ
Watching the Wheels
みんなオレのこと頭オカシなったんちゃうか言うとる
落ち目にならんようにいろいろ注意してくれるんやけどな
オレが「大丈夫やて」言うても、変な顔で見よる
ゲームから外れたような状態でハッピーなわけないやん・・・ってな
夢みたいなこと言うてるばっかりで、怠けモンやとも言われとる
目ぇ覚まさせようといろいろアドバイスもくれるんやけど
オレは「ずっと影絵を見て過ごすような生活もええもんやで」って言うんやけど
ビートルズみたいに一線で活躍してた頃が懐かしないんか?・・・やて
オレはただ座って、運命の流れを見定めとるんや
ホンマ、見てるのが好きなんや
もうオレ自身がメリーゴーランドに乗ることはないしな
流れに任せようや
なんやみんな困った顔でオレを質問責めにするけど
なんの問題もない、解決しかないわ、ってオレは答える
そしたらみんな首を振って、気がふれたみたいに見よるけど
なんも急ぐことないやん、ただ座って時間を過ごそうや
オレはただ座って、運命の流れを見定めとるんや
ホンマ、見てるのが好きなんや
もうオレ自身がメリーゴーランドに乗ることはないしな
流れに任せようや
逆らってもしゃあない
なるようになるんや
「この曲を関西弁で訳して欲しい」っていうリクエストや、訳に対する指摘、クレーム、文句も大歓迎です^^