ビートルズのホワイトアルバムを聴けば、20世紀ポピュラーミュージックの歴史がわかると云われている。
それほどバラエティに富んだ楽曲が1つのバンドの1アルバムに収められている例は、このホワイトアルバム以前にはもちろん存在しなかったし、それ以降も出現していない。
そして今日この関西弁シリーズで取り上げるYer Bluesは、当時イギリスで台頭していたブルース・ロック勢に対するビートルズからの回答でもあった。
「俺たちだってそれくらいできるぜ。」
と言わんばかりだ。
ヤーブルーズ、ジョン
この曲はローリング・ストーンズ主催のロックンロール・サーカスやトロントでのライブでも演奏されており、ロックンロール・サーカスの時はDirty Macという即席のスーパーバンドで演奏されている。
(動画はYoutubeで探してみてね)
メンバーはジョン・レノン、エリック・クラプトン、キース・リチャーズ、ミッチ・ミッチェルという夢のような組み合わせだ。
そしてその演奏はめちゃくちゃカッコイイ!
Yerってなに?
Yer BluesのYerはイギリスのスラングで you’reやyourのことなんだ。
ここではyou’reの方だろう。
ロックンロール・サーカスの映像で、ジョンとその舎弟であるミック・ジャガーが話をしているが、ジョンがステージに向かう時にミックは
“You’re blues, John” 「あんたがブルースだ」
と何度も言っている。
ちなみにbluesの発音は日本ではブルースと最後のSを濁らずにスで発音しているが、本当はzの音でズだから英語圏の人にブルースの話をする時は注意しよう!
原文の歌詞はコチラ
Yer Blues
寂しいて死にたいわ
ほんま死にたい
でもまだ死んでへんのは
おまえはなんでか知ってんにゃろ
朝っぱらから死にたいわ
夜も死にたい
でもまだ死んでへんのは
おまえはなんでか知ってんにゃろ
おかんは空やとしたら
おとんは地球や
でもな、オレは宇宙なんや
どういうことかわかるやろ?
寂しい、死にたいわ
でもまだ死んでへんのは
おまえはなんでか知ってるやろ
鷲に目ぇつつかれて
骨には虫がたかっとる
もう自殺したい気分やわ
まるでボブディランの歌に出てくるミスタージョーンズみたいやんけ
寂しいわ、死にたい
でもまだ死んでへんのは
おまえはなんでか知ってるやろ
オレの心は黒雲で覆われとる
魂は青い霧でもう見えへんわ
もう自殺したい気分やわ
ロックンロールさえ嫌気がさしてきたわ
死にたい、ホンマ死にたい
でもまだ死んでへんのは
おまえはなんでか知ってるやろ
「この曲を関西弁で訳して欲しい」っていうリクエストや、訳に対する指摘、クレーム、文句も大歓迎です^^