2020年10月9日 ジョン・レノン生誕80周年の誕生日である。
それを記念してソロ作品のベストアルバムが発売されるという。そのベストアルバムのタイトルが「Gimme Some Truth」
これは1971年にリリースされたアルバム「Imagine」のB面1曲目に収録された曲のタイトルで、政治家を痛烈に批判した毒々しいジョンの本領を発揮した曲だ。
優しく理想郷を夢想するA面冒頭のImagineとは見事なコントラストになってるよね。
今日はその新ベストアルバムのタイトルにもなっているGimme Some Truthを関西弁にしてみよう。
難解な言葉のオンパレード
はっきり言ってこの曲は当時の政治家たちを論理的に批判しているというよりは、ただ罵詈雑言を浴びせているだけなんだけど、重要なのはその罵詈雑言ではなく、タイトルの「真実を知りたい」という1点である。
そしてその悪口に使われる言葉のチョイスがあまり日常会話では使われない難しい言葉が多いので、聞いても読んでも即座に意味を取れる人は少ないだろうね。
ネイティブにとっても難しい言葉が多いはずだ。
まずは難解な単語をリストにあげておこう。
- hypocrites・・・偽善者、猫かぶり
- neurotic・・・神経症の
- psychotic・・・精神病の
- pig-headed・・・強情な、つむじ曲がりの
- condescending・・・上から目線の
- chauvinist・・・狂信的愛国主義者、極端な排他主義者
- schizophrenic・・・精神分裂病の
- paranoiac・・・妄想、偏執狂の
どうだろう、1つでも聞いたことのある単語があっただろうか?(笑)
しかし、このような難解な単語を使いながらも、きっちり歌に気持ちよく乗せてくるところはさすがとしか言いようがない。
このような韻を踏んだ言葉のオンパレードは、Give Peace a Chance を思わせる。
畳み掛けるようなコーラス部に出てくる、Tricky Dickyというのは当時のアメリカ大統領、リチャード・ニクソンのことである。
アルバムサムタイム・イン・ニューヨーク・シティのジャケットで毛沢東と裸踊りさせられてる人ね(笑)
ジョンの2面性
このImagineというアルバムはジョンのソロアルバムの中でも、異常なほど曲の振り幅が大きいアルバムである。
HowやJealous Guyのような繊細で優しい曲があるかと思えば、ポールへの批判といわれる How Do You Sleep? や 兵隊になりたくない、真実が欲しいのような曲で毒を吐く。
タイトル曲があまりに有名になってしまったため、毒のイメージが和らいではいるが、どちらも愛すべきジョン・レノンなのである。
今のような世情の中、Gimme Some Truth というタイトルでジョン・レノンのベストアルバムが発売されることに特別な意味を感じずにはいられない。
もう “イマジン” と優しく呼びかけている時間は残されていないのかも知れない。
ちなみにビートルズ時代にこの曲をリハーサルしている音源が残っているが、とてもビートルズとして発表できる内容ではないね・・・^^;
原文の歌詞はコチラ
Gimme Some Truth
保守的で、目先の事しか考えへん、偏狭な猫かぶり野郎の
戯言を聞いてると吐き気がするわ
俺はホンマのことが知りたいんや
真実だけをくれ
神経症で頭のオカシイ強情な政治屋の
書いたもんなんぞ読むに耐えんわ
俺はホンマのことが知りたいんや
真実だけでええんや
短髪で腰抜けニクソンの下僕が
ハバードおばさんになって
そんな取ってつけたようなおべんちゃらで
俺を丸め込めるとでも思っとんか
金はマヌケと都合のええ囲い込みに使われとる
肝心なことは一言もしゃべらへんくせに
上から目線で、マザコンのクソ排他主義者なんて
見るのもうんざりや
俺はホンマのことが知りたいんや
今すぐや、真実だけをくれ
精神分裂病で自己中で妄想狂の
お嬢様の立ち回りなんぞもう見たくもないわ
今すぐ俺はホンマのことが知りたいんや
真実だけでええんや
「この曲を関西弁で訳して欲しい」っていうリクエストや、訳に対する指摘、クレーム、文句も大歓迎です^^