初期ビートルズの最高傑作に挙げる人も多いアルバムA Hard Day’s Nightは初の主演映画のサウンドトラックでもあり、初の全曲オリジナル作品で構成された記念すべきアルバムでもある。
この時期のビートルズがどれほど忙しかったのかは、映像や伝説から想像する他ないが、多忙を極める中これだけのクオリティのオリジナル楽曲を作り続けられたレノン・マッカートニーという作曲コンビに改めて脱帽である。
ジョンのお気に入り
映画本編にも使用されず、レコードでもB面の目立たないポジションの曲ではあるが、実はジョンレノン自身はアルバム中一番のお気に入りであると語っている。
歌詞の内容は初期〜中期ジョンの十八番である「嫉妬に狂い系」なんだけど、その凶暴さにおいては1,2を争う(笑)
なんせ自分がフラれたからといって、他のカップルまで引き裂いて傷つけてやるという理不尽さだ(^^;)
いただけない邦題
でもこの「ぼくが泣く」という邦題はちょっといただけないと思う。
いかにも取ってつけたような邦題で、insteadのニュアンスも伝わらないよね。
ぼくはこの邦題から、「君が泣く代わりに、ぼくが泣く」ような意味だと勝手に思い込んでいた。
「ぼくは泣く」じゃなく「ぼくが泣く」だからだ。
でもあらためて歌詞の内容を見ると、フラれて落ち込んで引きこもったり、復讐したりしたいんだけどできないから、そのかわりに泣く。
という表面は強がってるんだけど、結局女々しいというジョンらしい歌詞だ。
とにかく、2分に満たない中に抜群の言葉のノリと、ジョンの最高にブルージーなヴォーカルが詰まってるんだから、黙って聴くとしよう。
原文の歌詞はコチラ
I’ll Cry Instead
こんなんマトモでいろっちゅうのは無理な話や
彼女にフラれてもうたんやからな
一日中どこにも行かんと閉じこもってたいわ
でもな、そんなことでけへんから、しゃあない、泣くしかないやん
こんなムカついたことあらへんわ
みんなオレに会うても今日はしゃべりかけんなよ
あいつに会うたらどんなことしてでも仕返ししたるからな
でもな、そんなことでけへんから、しゃあない、泣くしかないやん
みんなおる前で泣けるわけないやん
そんなことしたらオレのこと変な目で見よる、ハズいわ
もうどっかに雲隠れしたい気分や
でもいつかまた戻ってくるからな
オレが戻った時は、みんな自分の彼女隠しといたほうがええぞ
世界中の女の心傷つけたろ思てんねん
カップルも全員別れさせたるわ
お前の元カレがどんな恐ろしい男かっちゅうのを思い知れ
その時までは、しゃあない、泣くしかないやん
「この曲を関西弁で訳して欲しい」っていうリクエストや、訳に対する指摘、クレーム、文句も大歓迎です^^